ホームページを制作する目的は様々。
『お客様の利便性の向上のため』『集客のため』といった理由から、『とりあえず作った方がいいかなと思って…』という理由まで。
共通するのは「ホームページを作るからには売上(利益)に繋げたい」というもの。企業が利益を求めるのは至極当然のことです。
そのため、弊社にも
「ホームページ作ればアクセスめっちゃ来る?」
といったお問い合わせを頂くことがあります。
しかし、残念ながらホームページを作成しただけで大量のアクセスが来ることはまずありません。
ホームページ制作会社がこんなこと言ったら怒られるかもしれませんが…これはほぼ間違いない事実なのです。
- 何故、ホームページを作っただけではアクセスがないのか
- 作っただけではアクセスがないのに、ホームページを作る価値はあるのか
という点について、この記事で解説していきます。
ホームページを制作しただけではアクセスはほとんどない
この理由は大きく2つあります。
- そもそも存在を認知されていないから
- SEOの評価を得ていないから
これらについて、例えば弊社が『サイタマウェブカフェ』という喫茶店を開店し、ホームページを作ったと仮定して解説していきます。
理由1.そもそも存在を認知されていないから
まず、店を作っただけでは誰も『サイタマウェブカフェ』という存在を知りません。
だから検索してくれる人もいないので、当然アクセスもありません。
- オーナー本人
- 友人・知人
- たまたま近くを通って看板などを見た人
ホームページを作っただけで来てくれる人というのは、精々このくらいでしょう。
月に10人も見てくれれば上等、という世界です。
裏を返せば、『既に名が知れているのにホームページを持っていないお店』であれば、作っただけでもある程度のアクセスは見込めます。しかしそれはレアケースですし、その場合でも『作っただけで充分』とは言い難いです。
理由2.SEOの評価を得ていないから
「『サイタマウェブカフェ』という名前を知らなくても、
『さいたま市 喫茶店』とかで検索してくれれば…」
と思うかもしれませんが、その方向も決して容易ではありません。
さいたま市には何百という喫茶店がありますし、それらを紹介するポータルサイト(食べログなど)や各種メディアも存在します。
出来たばかりの無名のカフェが、それらを抑えて上位表示できるか。答えはNOです。
お店の公式ホームページの情報といえば、
- トップページ
- お知らせ
- メニュー、料金
- アクセス
- こだわり・店主あいさつ
- お問い合わせページ
このくらいが一般的な構成です。
指名検索(=『サイタマウェブカフェ』や『さいたま市 サイタマウェブカフェ』といった、サービス名・店名等での検索)での上位表示は狙えますが、『喫茶店』などの一般的な検索語での上位表示を目指すにはコンテンツの量が少なすぎます。
本気で『さいたま市 喫茶店』といったキーワードで上位表示を目指すのであれば、リソースを注ぎ込んで自社メディア(オウンドメディア)を作るのが現実的な選択です。
(それでも『喫茶店』というキーワードは競合であるポータルサイトがあまりに強いので、『自家焙煎』などの特徴で上位表示を狙うのが妥当ですが。)
それでも自社ホームページを作るべき理由
ホームページを作っただけでは、充分なアクセスは集められない。
では、アクセスが集まらないのにホームページを作る必要はあるのか?という疑問が出てきます。
結論から言うと、あります。
最大の理由は『指名検索』で上位に表示されることです。
指名検索をしっかりと抑える
先ほど「サイタマウェブカフェ」を作ったばかりのタイミングでは誰も店の存在を知らない、と書きました。
この段階でアクセスを増やすには、お店の露出を増やす必要があります。
もちろんWeb広告で露出を拡大することも可能ですが、現実的には…
- 地域にチラシを配る
- SNSで紹介してもらう
- メディアの取材を受ける
といったマーケティングも並行していくのが定石でしょう。
これらで『サイタマウェブカフェ』という存在が知られることで、検索され、ホームページへのアクセスが発生する。
そして、ここで実際に検索した際にお店のホームページが確実に出てくる、というのが極めて重要なのです。
- チラシを見て興味を持った⇒調べてみたら美味しそう!
- SNSで『さいたま市にあるカフェ』だと知った⇒調べてみたら近所だ!
- メディアで見かけた⇒調べてみたらテイクアウトもやってる!
このような経路でのお客様を逃さない、というのは自社ホームページの重要な役割です。
弊社のお客様でも、ホームページを作ったことで問い合わせ&売上が倍増した例があります。
ブランディング・名刺としての役割
現在では名刺にホームページを記載するのは当たり前になっていますが、そこに記載するページとしても意義があります。
「こういうお店やってます」
と一発で紹介できるのは大きなメリットですね。(相手がホームページを見てくれるかはまた別の問題ですが…)
これが、食べログ・ぐるなびなどのポータルサイトや、無料ブログだったらどうでしょうか。
- 名刺に書いてあるのが食べログのURL
- 名刺に書いてあるのが自社ホームページのURL
感じ方はそれぞれですが、個人的には『名刺に書くもの』としては強い違和感を覚えます。
ホームページは特に届出も許可もいらないモノですが、それでも一定の社会的評価を得ているのが事実ですね。
特に『対お客様』ではなく『対取引先』という観点で見るとよりその傾向が強まります。
事業用の銀行口座を開設する際や融資を受ける際なども「ホームページはありますか?」と確認されることが多いですね。
必須ではありませんが、あると事業内容の説明もスムーズです。
まとめ
- 『自社ホームページを作っただけ』では、『認知』と『SEO』が弱く、アクセスが集まることはない。
- しかし、『指名検索を抑える』『ブランディング』という意味では非常に大きな意義がある
以上の理由から例えアクセスの絶対数が少なくとも、自社ホームページを制作することには極めて重要な意義があると考えています。